ドクターよろず相談所 開業医のためのお悩み解消ブログ

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2012年4月24日 (火)

【今日の質問】医療法人の経営が順調で黒字額が大きくなってきました。対策としてマンションの購入やスタッフも含めた退職金積み立てをすすめられていますが、効果はあるのでしょうか? 【答え】はコチラ⇒

こんにちは。

東京は久しぶりに青空が広がり、気持ちの良い一日になりました。

緑が深まり、街にもきれいな花が咲き始めました。

いよいよゴールデンウィークが近づいてきましたね。

今日のご質問は医療法人の理事長先生からいただきました。

医療法人の経営が順調で、税金が増えてきており、節税も兼ねて退職金対策を考えたいと思いました。

税理士さんにはマンション購入(退職時に退職金の一部として貰い受けるため)または養老保険を勧められています。

養老保険は一人だけではなく、職員も対象とした社内規則を作り、それに該当する人をすべて保険に入れる必要があるといわれています。

実際のところ、当座の税金対策と、退職金準備としては、どのような対策がベストなのでしょうか。

というご質問です。

【答え】

マンション購入と養老保険を分けてお答えします。

①マンション購入

・マンションを購入しても節税効果は少ないと思われます。
(土地部分は購入しても経費にならず、建物部分は減価償却の期間が長いため年間の経費は少ないです。)

・医療法人でマンションを購入しても医療に関すること以外で利用することができません。
医療法人は医療とそれに付随する業務のみ行うことができます。購入したマンションを賃貸することはできません。

また、理事長の役員社宅にすることも困難です。行政から指導を受ける可能性が高いです。

・購入したマンションを退職金の一部として貰い受けることはできますが、その時の資産価値は不透明です。貰い受けた後の目的も明確にしておく必要がありますね。

これらのように、マンション購入は節税の効果が少なく、活用方法が無いにもかかわらず資金を固定してしまいます。

よってハイリスク、ローリターンだと思われます。

②養老保険

スタッフの退職金規定は法律上、必ず作成しなければならないものではありません。

一般的にクリニックではスタッフの入れ替わりが多いと思われ、あまり退職金の給付対象になる方がいらっしゃらない、 また、金額はそれほど大きくならないと思われます。

退職金規定を作ることは法律的には必要ありませんが、作ってしまうと法律の縛りが発生し、規定に沿って退職金を支払う義務が生じます。

スタッフのために退職金制度を支払ってあげたいのであれば、中退共を利用する方法が考えられます。

全額損金ですし、国の補助も得られます。ただ、支払った資金は医療法人の手を離れ、手元にもどすことができないなどデメリットもありますので、注意が必要です。

また、金額が大きくないのであれば、預金口座から支払ってあげてもよいのではないでしょうか。

中退共のHP http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/

全員加入の養老保険に加入した場合、スタッフが退職された時には、そのスタッフの契約を解約する必要があります。

短期で解約をすると解約返戻金が少額となり、メリットがありません。

また、全員加入の養老保険は加入方法によっては保険料の半分が経費に認められますが、経営者とスタッフの保証額に極端な差があるなど、要件にあわないとみなされると損金算入を認められないことも考えられます。

これらの理由から、この方法もハイリスク、ローリターンだと思われます。

今回の目的で一番シンプルな方法は、理事長先生が生命保険に加入されることだと思います。

生命保険の種類は様々ですので、目的に応じて選択をされることをお勧めします。

また、状況によっては利益が出ていてもお金が不足しているケースがありますので、どれぐらい保険料を支払うことができるのかを慎重にご検討ください。
(借入金の返済が大きな場合など。)

目の前の節税はもちろん大事ですが、できれば事業計画、ライフプランを中長期で考え、理事報酬のバランスを変えるなど、全体最適になるような方法も併せて検討されることをおすすめします。

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