ドクターよろず相談所 開業医のためのお悩み解消ブログ

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2013年3月18日 (月)

【今日の質問】個人でクリニックを開院しています。利益が出始めたので、医療法人を設立しようかどうか迷っています。設立したほうがよいのでしょうか? 【答え】はコチラ⇒

こんにちは。

開業医のビジョン実現ナビゲーターの近藤隆二です。

早いもので春分の日が近くなりましたね。


今日のご質問は個人クリニックを開院されて2年経過した院長先生からいただきました。

医業経営が順調に推移し、来年は税金を多く払うことになりそうです。

医療法人を設立したほうがよいのではないかと考えていますが、そのほうがよいのでしょうか?

というご質問です。

【答え】

まず医療法人を設立する目的を明確にしましょう。

今後の医業経営計画と個人のライフプランを考え、医療法人のメリット・デメリットを十分理解したうえで、個人での経営と医療法人での経営のどちらが適切なのかを具体的にシミュレーションして判断するようにしましょう。

医療法人のメリット・デメリットを言葉で理解しただけでは判断ができません。

個人で医業経営を継続した場合と、医療法人で医業経営を行った場合に財務状況がどのようになるのかを、経営の面と個人の生活の面と、全体的、長期的にシミュレーションしてみましょう。

そして、どちらがご自分の望む将来像に近づきやすいのかを冷静に判断してみてください。

感覚的にではなく、具体的な計画・数値で判断されることをおすすめします。

一般的に医療法人のほうが税率が低いので有利だと考えられることが多いようですが、現状を見、将来計画を考えると、医療法人を設立しないほうがよいケースも多くあります。

具体的には個人での借入金返済が多額で、医療法人を設立しても高額の理事報酬を受け取る必要があり、所得の分散ができないケースなどでは、法人にしないほうがよいこともあります。

医療法人の設立は医業経営、ライフプランを実現するための手段です。

設立後に医療法人をどのように運営するのかが重要になります。

医療法人を設立すると、簡単には個人開設に戻すことはできません。

あわてることなく、じっくりと検討するようにしましょう。

参考:
個人クリニックと医療法人の比較シミュレーション事例
(当社サービス ドクタードック サンプルその5 医療法人設立シミュレーションをご覧ください。)

【医療法人のメリット・デメリット概要】

医療法人のメリット

1. 経営管理がしやすくなる

・診療所の経営と、個人の家計を分離することで、ドンブリ勘定からの脱却ができる。その結果、経営の課題が明確になり対策が打ちやすくなる。
・経営計画、ライフプランがたてやすくなる。

2. 節税効果が期待できる

・所得税・住民税の税率と法人税の税率の差により、税額の節約が可能となる場合がある。
・理事長先生の報酬は給与所得となり、給与所得控除をうけることができる。
・理事に所得を分散することにより、家計全体で所得を増やすことができる場合がある。
・役員退職金を受け取ることができる。(退職所得の税制のメリット)
・条件を満たした生命保険を経費にすることができる。
・法人設立から2事業年度は消費税非課税。
・赤字の繰り越し控除が7年間可能。(個人は3年間)

3. 資金繰りの負担が軽減できる(税金の支払総額は変わらない)

・社会保険診療報酬支払基金から入金がある時の源泉徴収がなくなり、資金繰りが楽になる。(確定申告時の前払い税金がなくなるので納税資金計画が重要になる。)

4. 事業展開・拡大がはかれる

・分院の開設、介護事業などの展開が可能となる。
・有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅の開設も可能。

5. 相続や事業承継がすすめやすくなる

・医療法人の承継は理事長、管理者を変更するだけ。
・医療法人は税率が低いため資金を蓄積しやすい。そのため将来の改築や設備投資資金を準備しやすい。
・医療法人の資産は相続財産にならない。(平成19年春以降に設立した医療法人)
*だれを後継ぎにするのか、医療法人の運営をどうするのかなどの検討が重要。


【医療法人のデメリット】

1. 医療法人は業務範囲が制限されている

・個人は基本的にどのような事業をしてもよいが、医療法人では制限される。

2. 常勤(労働時間が常勤の3/4以上)の役員・従業員とも社会保険に強制適用となる

・医師国保は継続できるケースもある。

3. 理事長は役員報酬を受け取ることになり、自由に使える資金が減る可能性がある

・理事報酬は基本的に期の途中で変更することができない。報酬がいくら必要なのかを十分検討する必要がある。(個人の家計や借入金の返済などを考慮に入れる。)
・医療法人から理事長への貸付は困難(避けた方が無難)

4. 医療法人は剰余金の配当が禁止されているため、内部留保が増えやすい。また、解散した場合は残余財産の帰属先が国、地方公共団体、などに制限され、個人が受け取ることができない。

・医業経営計画、個人のライフプラン・ファイナンシャルプランを総合的、長期的に考え理事報酬や医療法人への内部留保額を計画する必要がある。

5. 交際費の損金算入が制限される

・個人は全額認められていたが、以下の通り
資本金額 1億円以下:交際費(上限600万円)×90%
資本金額 1億円 超:全額損金不算入

6. 設立後の手続きが増える

・毎年の都道府県への決算届、純資産の登記、2年に一度の都道府県への役員変更届(変更ない時にも)・登記など手続きが増え費用も必要となる。
・決算届は申請があれば公開しなければならない。

7. 特別な理由がないと簡単に解散することはできない

・定款に定める事由(廃業など)

8. 個人加入の小規模企業共済は脱退

9. 医療法人設立時の手続きが面倒で、費用がかかる

*平成25年3月18日時点
*税制の詳細は税理士さんにご確認ください。
*あくまでも概要です。個別事情で設立が適切がどうかご判断ください。

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